平成26年度 建設・植木部会企業サイバー犯罪対策講習会

2月18日(水)16時~17時、宝塚商工会議所会館において
建設・植木部会企業サイバー犯罪対策講習会を開催しました。

講習会では、兵庫県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課の山口警部補より最近のサイバー犯罪の多様化やリスク対策、身近なスマートフォンにおける個人情報の流出事例など、わかりやすい説明がなされました。

<相談事例について紹介します>
■ワンクリック料金請求
知らないメール内のURLをクリックしたら、料金請求の画面が突然表示された。
リンクをよく確認しないでクリックすると、有料サイトに登録したと表示された。
→対応方法
メールやホームページにおいて、利用料金や利用規約等について明確な説明がないのに、クリックすると即座に「契約完了」や「料金請求」等の内容を表示させるなどして金銭を振り込ませようとすることをワンクリック料金請求といいます。このような請求のほとんどは法令上の契約の正当性を欠いており、支払う必要はありません。(「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」で、消費者が申込みを行う前に事業者側で契約内容の確認画面等の措置を講じていない場合には、消費者の錯誤による契約の無効を主張できるしています。)
相手に返事をすると、しつこく請求されるおそれがありますので、連絡しないようにしましょう。
画面をクリックしただけで、相手に住所や氏名、電話番号などの情報が伝わることはありません。

■オークショントラブル
ネット・オークションで商品を落札し、代金を振り込んだが商品が送られてこず、相手と連絡が取れなくなった。
掲示板で「単車売ります」というのを見つけてメールで連絡して代金を振り込んだが、商品が送られてこず、連絡も取れなくなった。
→対応方法
メールだけではなく、電話や郵便等のあらゆる手段で督促してください。
すぐにオークションや掲示板のURL(ホームページアドレス)を記録、画面を保存して印刷しておきましょう。また、代金振り込みの控え等の証拠を保管しておきましょう。
オークション事業者に相談しましょう。(詐欺被害の補償制度を運用している場合があります。)
内容証明郵便でも連絡が取れない場合など、詐欺の疑いがある場合には資料を持って警察に相談してください。

■不正アクセス
IDとパスワードを無断で使用され、自分で開設しているホームページが何者かに改ざんされた。
何ら契約関係にない第三者に会社のコンピュータシステムに不正にアクセスされ、データを改ざんされたり消去されたりして業務を妨害された。
→対応方法
サービスを提供している会社に相談してください。
不正アクセスに該当する可能性があるので、ホームページが改ざんされた状況やIDのログイン状況等の資料を持って警察に相談してください。
ネットカフェ等不特定の人が使用するパソコンでは、情報流出防止の観点からID・パスワード等個人情報は入力しないようにしましょう。

■掲示板トラブル
掲示板に悪口を書かれて困っている。
掲示板や出会い系サイトに電話番号やメールアドレスを掲載され、知らない人から電話やメールが来て迷惑している。
自分の顔写真を、無断で掲示板等に載せられていた。
→対応方法
個人情報が、掲示板等に掲載されているのを知ったら、すぐにそれらを確認し画面の保存、印刷等の証拠保存をしましょう。併せて掲載されているのを知った日時、いきさつその後の対応等についても記録に残しておきましょう。
掲示板の管理者、ホームページを掲載しているプロバイダに連絡を取り、個人情報の削除を要請しましょう。(「プロバイダ責任制限法」で、掲示板等に掲載されている情報が個人の権利を不当に侵害している場合にはプロバイダ等がその情報の送信停止をできることが定められています。)
悪口に対して、返事を書き込むとさらにひどくなる可能性があるので、何も書き込まずに静観するのもひとつの方法です。
電話番号やメールアドレス等の変更できるものは、変更することも検討しましょう。
掲載された内容によっては、名誉毀損等に該当する可能性もあります。ひどい場合は、書き込み内容を印刷して警察に相談してください。

■有害情報等
ホームページ上に「ガン売ります。コカインあります。LもSもあります。詳しくはメールで連絡を。」との広告を見つけた。
自殺サイトや犯罪を助長するようなサイトが公開されている。
誰でも見られるようなホームページに卑猥(ひわい)な写真がたくさん出ている。子供の教育上悪い。
→対応方法
違法情報、有害情報に関する通報はインターネット・ホットラインセンター(IHC)へ通報してください。
子供たちを有害情報から守る、フィルタリングと呼ばれるサービスやソフトを利用しましょう。

■スパムメール・チェーンメール等
わいせつビデオの販売広告のメールが大量に送られてきてメールが使えない。
チェーンメール(不幸の手紙)が送られてきた。
→対応方法
メールの受信拒否や、対応ソフトを使用しましょう。
チェーンメール等の迷惑メールは決して転送せず、無視しましょう。
大量のメールにより、業務を著しく妨害されたような場合は、その状況を記録し、警察に相談してください。
メールアドレスを変更することも検討しましょう。

出所:兵庫県警察本部サイバー犯罪対策課 サイバー犯罪防犯センター
http://www.police.pref.hyogo.jp/cyber/jirei/index.htm